「分かるのに言えない」を終わらせる – 受動語彙を能動語彙に変える逆方向トレーニング

4 Dec 31, 2025

こういう語学のイライラって、もう固有名詞が必要だと思う。文を読めば一瞬で意味がわかる。ポッドキャストでその単語を聞いて「うん、知ってる」ってなる。なのに、いざ口を開こうとした瞬間、頭の中が真っ白になる。

これが「受動から能動へのギャップ」です。解決は地味です。でも効きます。意識して、練習を2方向にする。思い出す動作が自動化するまで続ける。それだけです。

受動語彙と能動語彙を、ふつうの言葉で

シンプルにいきます。

  1. 受動語彙は「見たり聞いたりして分かる語彙」です。
  2. 能動語彙は「自分で出して使える語彙」です。

話したいなら、重要なのは能動語彙です。受動語彙がムダという話ではありません。会話はスピード勝負で、頭の中の辞書をのんびり探す時間がないだけです。

私の結論はこれです。多くの学習者は「スピーキングが苦手」なんじゃなくて、「練習の向きが片方だけ」なんです。

「分かる」が「言える」にならない理由

理解はだいたい「認識」です。

発話はだいたい「取り出し」です。

別スキルです。

認識は、街で知り合いの顔を見て「知ってる」と思う感じ。

取り出しは、名前をすぐ思い出して、気まずい間を作らずに挨拶する感じです。

認識中心の勉強をしていると、受動語彙は増えます。自信もそこそこ出ます。で、話そうとすると急に詰まる。

裏切りじゃありません。必要な筋トレが抜けてるだけです。

すべてが変わる「2つの向き」

使える語彙を作るなら、2方向が必要です。

方向1: 学習言語 – 母語

「見て分かる」の向きです。意味が安定して、理解が速くなります。

方向2: 母語 – 学習言語

「言いたいけど出る?」の向きです。能動的な想起(active recall)を作るのはこっちです。

方向1だけを何か月も続けて、「いつになったら話せるの?」となりがちです。話せるようになるのは、方向2をちゃんとやり始めてからです。

逆方向フラッシュカードが効く理由

逆方向フラッシュカードは、表が母語、裏が学習言語のカードです。

会話で必要な動作 – 「意味から単語やフレーズを出す」 – をそのまま強制してくれます。

逆方向カードには、良いプレッシャーもあります。パニックじゃなくて、ちょい負荷。

その負荷が本体です。

認識はスムーズで速いので、「覚えた気」になりやすい。

取り出しは遅くてゴチャつくので、「できてない気」がしやすい。

でも、正しい練習はだいたい少しだけしんどいです。勉強がずっとラクすぎるなら、想起の練習が足りない可能性が高いです。

逆方向はいつ始める?

最初からはおすすめしません。

新出単語をいきなり逆方向にすると、当てずっぽうゲームになりやすい。やる気も効率も落ちます。

おすすめはこうです。

  1. まずは順方向(学習言語 – 母語)で、意味を素早く取れる状態にする。
  2. 十分に馴染んだら、逆方向(母語 – 学習言語)を入れていく。

My Lingua Cards では、この流れが学習の中に組み込まれています。最初にメイン方向で何回かうまく反復してから、後半のステップで逆方向が使えるようになります。難しすぎず、でもラクすぎない「ちょうどいい負荷」に寄せるためです。

逆方向セッションのやり方

逆方向はシンプルですが、やり方で難易度がムダに上がります。私はこうやります。

  1. 母語のプロンプトを見て、1秒だけ止まる。
  2. 学習言語の答えを声に出す。完璧じゃなくていい。
  3. 詰まったら、いきなり答えを見るんじゃなくて、小さなヒントを出す。
  4. カードを確認して、正しい形をもう一度声に出す。
  5. さっと次へ行く。スピードもトレーニングの一部。

目標は「正答率100%」ではありません。取り出す習慣を作って、少しずつ速くすることです。

「言える」になりやすい単語の条件

すぐ能動化する語もあれば、ずっと滑る語もあります。だいたい理由があります。

訳だけが付いてる単語は、取り出しの手がかりが少ないんです。

My Lingua Cards の語彙カードには、単語やフレーズに加えて、トランスクリプション、短い説明と長めの説明、例文、必要に応じて記憶の工夫(mnemonics)、画像、複数の音声クリップを入れられます。ルートが増えると、脳が言葉に戻りやすくなります。

自分でカードを作る場合や、学ぶものを選ぶ場合は、こんな基準が効きます。

  1. 使い方が分かる例文があるものを優先する。
  2. 単語だけじゃなく、必要ならフレーズで覚える。
  3. 自分が理解できる例文を最低1つは持つ。
  4. 音声を入れて、頭の中で「文字」じゃなく「音」にする。

能動語彙は、無音の単語リストじゃなく、音と場面に住みます。

静かに効いてくる罠 – 翻訳してから考える

逆方向カードをこうやって処理する人が多いです。

母語プロンプト – 単語を直訳 – 文を組み立てる。

遅いし、不自然になりやすいです。

コツは、プロンプトを「文章」じゃなく「意味」として扱うこと。

たとえば「レストランを予約する」なら、「予約」と「レストラン」を分解して組み立てるより、その言い回しをひとかたまりで思い出すほうが強い。

フレーズと例文のカードが効くのは、辞書的に可能な表現じゃなく、実際に使われる言い方を丸ごと持てるからです。

定着させるのは間隔反復

逆方向フラッシュカードは「出す」きっかけを作ります。

でも、それを安定させるのは間隔反復(spaced repetition)です。

1回やると今日だけ伸びた感じがします。来週には落ちます。

間隔を空けて何度も取り出すと、自動化していきます。

My Lingua Cards では、複雑な自己採点なしで間隔反復が回ります。反復したら、次の登場が自動で組まれる。カードはメイン方向で最大10回、成長する間隔で出てきて、その後に逆方向で最大5回出て、能動的な想起を固めます。自分で管理しなくても、意味のある「取り出し」を積み上げられます。

受動のまま止まる人がやりがちなこと

「分かるのに言えない」が続くなら、だいたいどれかです。

  1. 片方向しか練習していない。
  2. 勉強中に声を出していない。
  3. 訳だけの単語を、用法なしで覚えている。
  4. 新しい語彙を入れすぎて、復習が爆発している。
  5. 取り出しが遅いときに「失敗だ」と思って焦る。

遅い想起は失敗じゃありません。速くなる直前の段階です。

話せる語彙に寄せる短いルーティン

2時間の儀式はいりません。繰り返せる小ささが大事です。私はこの形が現実的だと思っています。

  1. まず今日の復習を終わらせる。ここが貯金を守る部分。
  2. 新しい単語やフレーズは少なめに足す。
  3. 新出は音声つきで1回声に出す。
  4. 逆方向が解放されている語だけ、短く逆方向セッションをやる。
  5. 「まだ余裕あるな」で止める。明日が怖くならないように。

毎日15分でも、たまの気合いマラソンより強いです。

今日やるならこれ

次の学習で、これをやってみてください。

  1. すでに見れば分かるのに、普段使わない語やフレーズを10個選ぶ。
  2. それぞれに例文と音声がある状態にする。
  3. 順方向で「馴染んだ」と感じるまで回す。
  4. そのあと逆方向で、答えを声に出す。
  5. 詰まるものを見つけたら、深刻にしない。そこが最高のトレーニング対象。

1週間やると、だいたい変化が出ます。間が減る。出てくるのが速くなる。「知ってるのに…どこだっけ」が弱くなる。

AIをうまく使う – 記憶の代わりにしない

AIはアウトプット練習に向いています。ロールプレイもできるし、質問してくれるし、とにかく話す量を増やせます。

でも、語彙をあなたの脳の中に保存してくれるわけではありません。結局、時間を空けた反復と取り出しが必要です。つまり、AIは言葉を使う助けにはなるけど、覚える工程を消してはくれません。

私はこの分担が好きです。

  1. フラッシュカードと間隔反復で、想起を作って安定させる。
  2. AIで、その想起を会話っぽい形で柔らかくする。

My Lingua Cards では、AIチャットは別の練習モードとして用意されていて、有効な有料サブスクリプションで使えます。語彙が動き始めたタイミングで使うと、低プレッシャーで試せる場所になります。

My Lingua Cards を使うなら、受動語彙を能動語彙に寄せるために「2方向の練習」を軸にできます。音声、説明、例文つきの語彙カードで順方向から始めて、今日やるべき復習は間隔反復で自動的に組まれます。

慣れてきた語は、逆方向の練習が後半のステップで開くので、母語から学習言語へ取り出す練習に移れます。まずは無料期間で最大200枚の語彙カードまで試して、もっと増やしたい場合や追加の練習モードが欲しい場合はサブスクリプションで広げられます。

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