単語は「読める」のに、話すときに出てこない理由
単語を読めば意味は分かる。文章もちゃんと理解できる。
なのに、いざ話そうとすると口から何も出てこない。
これは「受動語彙(パッシブ)」と「能動語彙(アクティブ)」のあいだにあるギャップです。
この問題を解決するのに、新しい教材は必要ありません。
必要なのは、シンプルだけどよく出来た仕組みです。
- 外国語 → 日本語で意味を理解する流れ
- 日本語 → 外国語で自分の口から出せるようにする流れ
My Lingua Cards は、この二つの方向を軸に設計されていて、両方のステージを順番にガイドしてくれます。
ここでは、この仕組みがどう動くのか、そして「知っているだけの単語」が実際に使える単語に変わるまでのステップを、八つのポイントで分かりやすく説明します。
受動語彙と能動語彙:この差を埋めないと話せるようにならない
あなたの語彙は大きく分けて二種類あります。
- 受動語彙
- 読む・聞くと「意味が分かる」単語
- 能動語彙
- 自分で話す・書くときに「実際に使える」単語
多くのアプリや教材が鍛えているのは、ほとんどの場合この一方向です。
- 外国語(英語など)を見て → 日本語で意味が分かる
もちろん、これは大事です。
でも「理解できる」だけでは、会話になると止まってしまいます。
単語を本当に「使える」ようにするには、もう一つの方向も意識的に鍛える必要があります。
- 日本語で意味を見る → 外国語の単語を自分で言える
My Lingua Cards は、この二方向をどちらもちゃんと通るように、最初から設計されています。
ステージA:まずは「見た瞬間に分かる」理解を作る(外国語 → 日本語)
最初のステージでは、その単語が「見た瞬間にああ、これね」と感じられるレベルまで理解を固めます。
My Lingua Cards の「学習言語ページ」では、通常こんなカード構成になっています。
表側(フロント)
- 学習言語の単語(音声付き)
- レベル
- 発音記号(発音の目安)
- イメージ画像
- 説明文(Description)と例文(Example)の音声

裏側(バック)
- あなたの母語(ここでは日本語)の訳
- 例文の日本語訳

このカードを、スペースド・リピティション(間隔反復)で何度か見ていくうちに、脳はその単語をどんどん素早く認識できるようになります。
これは典型的な「外国語 → 母語」のトレーニングで、受動語彙を強くする段階です。
このステージのゴールはとてもシンプルです。
外国語の単語を見た瞬間に、何も考えずに意味が分かること。
ステージBが解放されるタイミング:早くやり過ぎるとしんどくなる
日本語 → 外国語の練習(アウトプット側)を始めるのが早すぎると、ほとんどの人はこう感じます。
- 「やっぱり自分には向いてないかも」


つまり、ただストレスになって、モチベーションが落ちます。
そこで My Lingua Cards では、タイミングをシステム側で管理します。
- まず、学習言語ページでその単語を、通常の向き(外国語 → 日本語)で何度か出題
- その単語が少なくとも 8回以上 くり返し出てきたあとで
- はじめて「母語ページ」での逆向きトレーニング(日本語 → 外国語)が解放されます
つまり、
ある程度、受動語彙として「安定」するまでは、日本語 → 外国語のきつい練習はさせない
という設計です。
こうすることで、程よくチャレンジングなのに、挫折はしにくいバランスが保たれます。
ステージB:日本語 → 外国語の「声出しトレーニング」
カードの準備が整うと、その単語は母語ページにも登場するようになります。
ここから方向が入れ替わります。
母語ページの表側
- 日本語で意味・説明が表示される
- そこに、学習言語での「Description」と「Example」の音声が付いている
ここであなたがやることはシンプルです。
- 日本語の意味だけを見て、学習言語の単語を「頭の中で思い出しながら、声に出して言う」
- 思い出せなければ、学習言語の Description 音声を再生する
- それでもピンとこなければ、Example の例文音声を聞く
- それでも無理なら、単語の音声を聞くか、カードをめくって答えを確認
- 次の単語へ進む
このアクティベーション(能動化)の段階では、単語はランダムな順番で何度も登場します。
こうして、
- まずは理解(外国語 → 日本語)
- そのあとで、アウトプット(日本語 → 外国語)
という二方向の流れが、実際のトレーニングの形になります。
My Lingua Cards の中で「二つの方向」がどう見えるか
あなたは、二つの別々のページで学習します。
外国語 → 日本語(理解用のページ)
- 学習言語ページでは、カードの表が学習言語、裏が日本語。
- 読む・聞くと意味がすぐ分かる「受動語彙」を鍛えるモードです。
日本語 → 外国語(アウトプット用のページ)
- 母語ページでは、カードの表が日本語で、裏が学習言語。
- 同じカードでも、向きが逆になっています。
- しかも、このページに出てくるのは「学習言語ページで少なくとも8回以上くり返した単語だけ」です。
ここが、単語が「知っているだけ」から「自分で使える」に変わる場所です。
カード自体はあらかじめすべて用意されています。
My Lingua Cards がやっているのは、
いつ・どの順番で・どちらの向きで見せるか
を自動で最適化している、というイメージです。
声を出す理由:アクティブ語彙は「口の中」にある
アクティブ語彙は、頭の中だけでは完成しません。
実際に「口を動かした回数」が、あとから効いてきます。
そのため My Lingua Cards では、こんな流れをおすすめしています。
- 学習言語の単語と、その短い Description を読む(または音声を聞く)
- 少しだけ間をおく
- 単語を学習言語で声に出す
- カードをめくって、日本語訳と例文の日本語訳を確認する
- (例文自体は学習言語のまま)
理想的には、
- 例文音声を真似して発音する(シャドーイング)
- 余裕があれば Description の音声も真似してみる
こうして毎回声に出すことで、次の三つがまとめて鍛えられます。
- 思い出す速さ
- 発音のクリアさ
- 実際の会話で使うときの自信
毎日続けやすい「短いアクティベーション・セッション」
長時間の勉強マラソンは必要ありません。
大事なのは、短くても「毎日続けられる」ことです。
My Lingua Cards を使うときの、シンプルなルーティンの例はこんな感じです。
- 一日に一〜二回、サイトを開く
- 今日の復習カードをこなす
- 外国語 → 日本語のカードが出たら:
- すばやく意味を理解する
- 単語を声に出す
- できれば例文も真似して読む
- 日本語 → 外国語のカードが出たら:
- 少しゆっくり、単語を自力で言ってみる
- そのあと答えを確認する
スペースド・リピティションのスケジュールに沿って、
「今が復習にベストなタイミング」の単語だけが、学習言語ページと母語ページに出てきます。
一日20〜30分でも、受動語彙として「知っているだけ」の単語が、少しずつ話せる単語に変わっていきます。
「分かっていたはず」から「気づいたら口から出ていた」へ
受動語彙をアクティブ語彙に変えるには、次の三つがそろう必要があります。
はっきりした二方向のシステム
- まずは外国語 → 日本語で理解を固める
- そのあと日本語 → 外国語で思い出す練習をする
方向を切り替えるタイミングのルール
- 何度か成功したあとで、アウトプット側に切り替える
- My Lingua Cards では、少なくとも8回のくり返しのあとに切り替え
声を使った短い練習をくり返すこと
- 画面を眺めるだけでなく、実際に声に出して練習する
My Lingua Cards には、この流れが最初から組み込まれています。
- 音声・翻訳・例文付きのカードが最初から用意されている
- 長期記憶に残りやすいように、自動で間隔をあけて出題される
- 受動語彙が十分に強くなった単語から、日本語 → 外国語の練習がスタートし、何度かアウトプットのラウンドをこなせる
「知っている単語は多いのに、会話になるとほとんど出てこない」と感じているなら、My Lingua Cards を数日間だけ試してみてください。
特に、母語ページに出てくる「日本語 → 外国語」のカードに集中してみましょう。
そのうち、こういう瞬間が増えてきます。
- 「あ、この単語、前は読めるだけだったのに、今は自然に口から出てきた」
それが、本当の意味でのアクティブ語彙です。
まずは数日だけ、試してみませんか?
もしあなたが、
- 単語帳で何百語も「覚えたはず」なのに話せない
- リスニングや会話になると単語がまったく出てこない
- 毎日何をすればいいか分からない
と感じているなら、仕組みを変えるのが一番早い近道です。
My Lingua Cards なら、
- 音声付きのカードで受動語彙を固め
- タイミングを自動で管理しながら
- 母語 → 学習言語の声出し練習で、単語をアクティブ化
まで、全部ワンセットで出来ます。
今日から数日間だけでいいので、
- My Lingua Cards を開く
- 今日のカードを全部こなす
- 日本語 → 外国語のカードでは、必ず声に出して言ってみる
この三つを続けてみてください。
「読めるだけの単語」が、「気づいたら自分で言えていた単語」に変わっていく感覚が、きっと実感できるはずです。